レーザー熱処理        [r08]

【用語の意味】

レーザー加熱を用いる熱処理の総称。

【補足説明】

1~5KW以上の高出力レーザー光を照射して加熱し、レーザー光を移動すると品物の伝導によって急速に冷却されることで焼入れができる。

同様の焼入れ方法に高周波焼入れがある。高周波の周波数によって硬化深度は1~5mm程度を得られ、ポリマー水溶液で冷却しながら焼入れする。レーザー焼入れでは硬化深度は1mm程度以下で、焼入れ部分に対して品物が十分大きい場合は熱伝導により自己冷却するので、ほとんどの場合は特別の冷却はしない。
また、高周波焼入れは焼戻しが必須であるが、レーザー焼入れの場合の焼戻しはほとんどされていない。

得られる硬さについては高周波焼入れと同様で、炭素鋼や低合金鋼では炭素量に依存した硬さが得られる。例えばS45Cでは(わかりやすいロックウェル硬さに換算すると)58~62HRC、SCM435では58~60HRC、SUJ2で62~65HRC程度である。

レーザー光が届けば加熱して焼入れできるので、コイルの形状に左右される高周波焼入れよりも自由度が高い面もあるが、高周波焼入れと同様に短時間加熱であるので、焼入れ性の良い材料や高炭素の材料は加熱条件によって十分な硬さが入らないものもある。適用に関しては、事前の検討が必要になる。

また、硬さ測定は焼入れ部分が微小であるのでロックウェル硬さなどでは非破壊測定することはできないので、マイクロビッカースなどで断面を測定することになる。実体検査が大変なので、数量がまとまるものは試験片による代替検査は可能であるが、単品の場合は、結果の確認が難しいといえる。

これらのレーザー熱処理の考え方や問題点については、レーザー焼入れ自体が発展途上であり、これからいろいろ検討されて向上する段階といえるが、現段階では、焼入れの効果は、製品を使ってみて判断されている段階であるといえる。


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