水焼入れ             [m10]

【用語の意味】

水冷する焼入れ法。油冷による焼入れは、油焼入れという。近年、焼入れ性の良い鋼種を使うことが多くなって、水焼入れする鋼種は少なくなってきている。   

【補足説明】

鋼を焼入れして硬化させる重要なポイントは、冷却が遅くなってマルテンサイトが生成するまでにほかの組織が出ないようにすることである。

もちろん、CrクロムやMnマンガンなどによって焼入れ性を改善された鋼種は別にして、水冷する場合は水温は25℃以下、汲み置きの水を用意するということが言われてきた。最近は水冷をする品物は当社でも避けているようだが、下記などでは室温が40℃をはるかに超えるので、冷却水の管理は重要である。

高い焼入れ温度から品物が冷却される場合には、伝導と対流によって温度が低下するが、熱い品物が水に触れると接触した部分で沸騰して蒸気膜ができて断熱されるので、冷たい水で空気などが含まれていない汲み置きの水がいいとされるのだが、もちろん、水中で素早く振って蒸気膜を除去する操作も有効である。塩水にすることや噴霧することで冷却能が向上するのもこの理由といえる。

ちなみに、冷却性能を表現する方法の一つに熱伝達係数hという指標がある。これをわかりやすいように表現すると、空冷する場合を1とすると、油冷は100、水冷は500という比になって、気体は極端に冷えにくいということがわかる。もちろん、ファンを使った空冷を1とすると、油冷は8、水冷は40となるのだが、油冷はファン空冷の8倍、水冷はその5倍速く冷えることがわかる。熱処理でも、結構、数字で楽しめるところも多い。


↑記事のTOPに戻る