高周波熱処理 (こうしゅうはねつしょり)   [k54]

【用語の意味】
高周波誘導加熱による熱処理の総称。高周波焼入れ、高周波焼戻し、高周波焼なましなどがある。主に焼入れ処理が多い。
周波数や硬化(加熱)深度によって、中周波・低周波などと分類され称される場合もある。
【補足説明】

誘導加熱を利用するため、非磁性の鋼(例えば、オーステナイト系ステンレスなど)は利用できない。
通常は、焼入れ作業が主体のため、「高周波焼入れ」という言葉のほうが一般的で、表面部が焼入れ硬化され、中心部(奥部)は硬化しないのでその特徴を生かした熱処理需要は多い。
歯車の外周部全体を加熱して一気に焼き入れる方法などを「一発焼入れ」、リング状コイルで丸棒の外周や平面部分を移動しながら焼き入れる方法を「移動焼入れ」というが、焼入れ部位にあったコイルが必要になる。適当なコイルがない場合は、その製作費などがかさむので、事前に問い合わせして確認することが必要である。
また、加熱温度を調節しながら加熱する必要があり、通電時間や送り速度などの調整次第で硬さむらなどの熱処理異常が生じやすいので、技術ノウハウも必要であり、仕上げ後の表面硬さを確保したい場合は、硬化深さなどについて事前に打ち合わせするとよい。
周波数を変えることで焼入れ深さを調節することが比較的簡単で短時間で焼入れ処理が終了する。
主に機械構造用鋼の処理が多く、焼入れ冷却は水溶性の焼入れ剤を使用するので、低炭素鋼や高合金工具鋼などは十分に硬さが出ないなどの問題があるのでこれについても事前に打ち合わせするとよい。
焼なましや焼戻しの処理についても、温度監視と温度コントロールを自動化することによって実施されるが、ほとんどは高周波焼入れがメインの処理である。
このために、焼入れ後の焼戻しの多くは200℃までの低温焼戻しが多いので、電気炉などで全体焼戻しされるのがほとんどである。


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