旧JISの硬さ (きゅうじすのかたさ)    [k25]

【用語の意味】
(注:この事項は慣用的な表現語句の説明です)
過去のJIS規格には、構造用鋼などについて、標準熱処理における機械試験値や硬さが掲載されており、その硬さを指す。
【関連する用語】
 調質
【補足説明】

古いJIS規格ハンドブックには、機械構造用鋼(S-C材、SCM材など)について、標準熱処理条件で標準試験片を熱処理(焼なまし・焼ならし・焼入れ焼戻し)した時の機械的性質(引張試験・シャルピー試験の値)と「ブリネル硬さ範囲」が掲載されていた。現在は「参考」項目としてJIS解説部分などには掲載されている場合があるだけになっている。
そこには、たとえば、焼入れ焼戻し(調質)した時のブリネル硬さは
「S45C 201~269HB」「SCM435 269~321HB」などのように、鋼種ごとに標準的な硬さ値が表示されており、それを当時は「JIS硬さ」という呼び方をしていて、熱処理依頼する場合の標準的な硬さとして用いられていた。
もちろん、「調質」と言えども、機械構造用鋼のほとんどは質量効果によって中心と表面の硬さや組織などは異なるので、そこに示された機械的性質と熱処理をした品物の値とは同等にならないが、この硬さ値は一つの標準的な取引指標になっていた。
それが、JISハンドブックなどに掲載されなくなったことや、JIS工場では、その表示許可工場ごとに品質標準を作ることを要求されるようになって、ここに表示されている硬さのとらえ方も変わってきたが、現在でも、熱処理硬さを決める一つの目安にしやすいことでその値が残っている。
これを「JIS硬さ」というのはJISの趣旨に反するので、慣用的にその硬さを要求された場合に「旧JISの硬さ」と表現された。
このJISに表示された試験はφ20以下の小さな丸棒の試験値が多いので、それより大きな品物でその硬さにするには焼戻し温度を下げて硬さを合わせなければならないが、そうすることの熱処理的意味や目的を十分に理解されないまま、JISに掲載されていたものが独り歩きしていたといえる。


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