エムエス点(Ms点)          [a18]

【用語の意味】

焼入れ冷却中にマルテンサイトが生成し始める温度。
マルテンサイト変態が終了する温度はエムエフ(Mf)点という。

【補足説明】 

CCT曲線の例でMS-Mf
WEBにあった図を引用しています。これは、CCT曲線と言われるもので、オーステナイト化した焼入れ温度から連続冷却した時の時間・温度を示しています。
エムエス点(Ms点)は焼入れでマルテンサイト変態が起こる温度で、エムエフ点(Mf点)はマルテンサイト変態が完了する温度です。

この図ではパーライト変態(P)にかかる(3)の冷却でもMs・Mfが示されていますが、それよりも冷却が遅いと、マルテンサイトは生じないので、Ms・Mfはありません。

マルテンサイトは温度変態(温度が下がるにつれてその生成量が増す)とされていますが、実際の熱処理ではこのように連続的に温度降下させにくいことや、品物の大きさで各部に温度差があったりして、この図の状態とは変わります。言い換えれば、通常の熱処理作業は、Ms点を意識しながら冷却速度を変えています。

Ms点が常温以下であれば、オーステナイト系ステンレスのように焼入れ硬化しませんし、Mf点が常温付近やそれ以下の場合は、残留オーステナイトが組織中に残るということがこの図から読み取れます。
Ms点は重要ですので実測したり、計算で求める方法もありますが、成分の違いで大きく変わります。
Ms点は鋼種すべてに表記されていませんし、適用できる計算式がない場合もあって、経験的に熱処理される場合も多いのですが、工具鋼においては重要なものです。


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