安定化処理(あんていかしょり)     [a08]

【用語の意味】

時間経過にともなう、寸法や組織の変化を防ぐことを意図した熱処理。
通常、鉄鋼では、焼戻し温度を上げて、残留オーステナイトが分解しにくいようにする処理をいう。

【関連する用語】
残留オーステナイトの安定化   サブゼロ処理 加工誘起マルテンサイト
【補足説明】 

一般的には、焼入れ時に組織中に残ったオーステナイト(これを残留オーステナイトという)は、400℃程度以上の焼戻し温度で分解し始め、550℃程度で消失するが、機械的性質が変化しない程度にできるだけ焼戻し温度を上げることで残留オーステナイトの変化を防ぐことを安定化処理という。
焼入れ時の残留オーステナイトの生成量は主として成分的な要素が強く、それは温度や外力に対して不安定で、温度・時間とともにマルテンサイト、ベイナイト、トゥルースタイトなどの組織に変化していきやすいので、そうなると変形などの原因になるだけでなく、その分解後は組織変化した後の焼き戻ししていない状態が永続することになるので、割れなどの原因になる場合もある。
強加工に伴って生成する加工誘起マルテンサイトの主な原因も残留オーステナイトの分解によるものとされている。

安定化処理は残留オーステナイトによる影響を低減する一つの方法であるが、残留オーステナイト量を低減する方法ではないので、残留オーステナイト量を減らす対策(サブゼロ処理や焼入れ条件検討など)は別に考える必要がある。


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