シャーナイフ(直刃・丸刃) CUTTING TOOL & MACHINED PARTS

シャーナイフ
(直刃・丸刃)

シャーナイフは、用途、区分、分類、呼称などは標準化されていませんので、 「標準品」がなく、ほぼ個別の仕様で設計製作されています。
シャー(せん断機)によるせん断の形式は、上下の刃物で品物を挟み込んで切断するのが一般的で、それらの刃物の多くは断面が長方形の「直刃」が使用されます。
直刃は「四方刃」と呼ばれる、4コーナーが使用でき、上下刃は同形状のものが多いようです。
長尺のものは6mを超えるものがあります。
一般的には上刃が上下動する形式のシャーが多いのですが、 アップカットシャーと呼ばれる、下刃が動くタイプや、フライングシャーのように、上下刃が動くタイプなどもあります。
また、刃物自体にシャー角(レーキ)がついた2コーナー使用の刃物もあります。
刃物の名称もまちまちで、クロップシャー刃・分塊シャーナイフ のように設備名であったり、 メーカー名を冠して名づけられている刃物などもあって、名前の付け方は 統一されていないのが実情のようです。

丸刃は、回転する上下の刃物に品物を挟んで切断作業をしますが、スリット(多条切り)作業に用いるスリッターナイフや、 耳切り作業を行うサイドトリマーナイフと呼ばれるものが多いようです。
鉄鋼用の丸刃では、外径が100mm以下の小さいものから、大丸刃と呼ばれる外径1500mmの丸刃までを対象に製作しています。
丸刃についても、いろんな名前で呼ばれていて、標準名称はないといえます。

刃物の刃先角度は直角の形状のものがほとんどですが、薄板用の刃物では、刃先を鋭角にして 切れ味を増したり、切断中に品物の変形を押さえるために、品物に刃先形状をあわせて いるものなどの特殊な形状をした刃物も多くあります。

シャー(せん断機)はもちろん、刃物も、切断する品物の材質や切断する環境によって 個々に設計されます。
刃物は、材質・熱処理(特に「硬さ」)によって強度などの特性値が決まりますが、 刃物の持つ「じん性」と「耐摩耗性」の基本的性質は相反しますので、広範囲なものに対応できるオールマイティーの刃物は ないと言えます。
このために、刃物の持つ最適条件範囲はせまい範囲に限定されますので、たとえば、切断する板厚の範囲を むやみに広げたり、刃物に対する要求条件を多くするのはよくないでしょう。

シャーナイフ(直刃・丸刃)の製造、加工、熱処理は第一鋼業へご相談ください。

第一鋼業では工業用刃物の材料選定、研磨加工、熱処理、仕上、表面処理まで一貫製造でご提供いたします。お気軽にお声がけください。

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(1)直刃

(1)直刃

(2)丸刃

(2)丸刃

(3)アップカットシャー下刃

(3)アップカットシャー下刃

(4)異形の刃物(ノッチャー・クリッピングシャー)

(4)異形の刃物
(ノッチャー・クリッピングシャー)

(5)熱間用シャーナイフ

(5)熱間用シャーナイフ

(6)特殊用途向けの刃物

(6)特殊用途向けの刃物

(1)直刃

近年は側面の取り付け穴部分の溝がある刃物よりも、溝のない刃物(ベタ刃)が 多くなっているようです。

(2)丸刃

条切り用の丸刃はスリッター丸刃と呼ばれます。通常は、板幅を調節するためのスペーサーや緩衝用のゴムリング などが併用されます。
製鉄所のラインなどで、コイルの両端を切断するために使用する丸刃はサイドトリマー丸刃と呼ばれます。

(3)アップカットシャー

通常直刃は上刃が下降して切断しますが、下刃が上昇して切断する 装置は、アップカットシャーと呼ばれます。この刃物は、ラインなどに組み込まれて、ラインと同調して 運動しながら切断するもの(走間せん断)が多くあり、刃物自体にレーキ(シャー角)をつける場合が多いようです。

(4)異形の刃物

その他の特殊な刃物として、様々なものがあります。写真は、製鉄所の 酸洗ラインなどで、板幅の異なる溶接部分をカットして、サイドトリマーナイフを移動させる 余裕をつけるために使用される「スニップシャー刃」で、左右1対で使用されます。 この刃物にも、切り落とす形状によって、様々な形状の刃物があります。
丸棒、アングルなどの型鋼や異形条鋼などを切断するために、断面形状に合わせた刃先形状をもつ さまざまな形の刃物も製作しています。

(5)熱間用シャーナイフ

800℃から1100℃の鋼片や鋼板を切断する刃物は、熱に対する強度や 耐荷重に対する性能が要求されます。写真は、粗圧延機に付随するシャーで、熱間鋼片を切断しますが、 刃物全体が鋼製のもののほかに、刃先に耐熱材料を肉盛するものもあります。

(6)特殊用途向けの刃物

いろいろな断面形状の品物を切るために、切断形状に合わせた 刃物や、曲線切りするための刃物など、いろいろな用途向けの刃物があります。 写真は、網目状の鋼板(エクスパンドメタル)を作るための刃物で、建築用や装飾用の網目板 を作る「ラス刃」などいろいろな用途に用いられる刃物があります。

当社の加工設備から見た製造できる刃物の大きさは、直刃では (max)1000巾x6000長さx700高さで、丸刃では外径1600mm程度までの加工能力がありますが、 それを超えたものを製作する場合には、治具などで能力を超えて加工する場合もあります。

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