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編者のあとがき

【1】書店に並んでいる熱処理関係の書棚を眺めてみますと、このHPで対象としている「一般熱処理」の分野の書籍の数は非常に少なくなっています。 平成年代に入って以降はさらにそれが加速されているようですし、関連の新刊が発刊されても、その内容は、実用書に近いものが多いようですので、 熱処理について知りたい、熱処理を学びたい・・・と考える人に薦めたい書籍はどれだろう?と考えると、非常に難しいなぁ・・・と、悩んでしまいます。

以下に参考にしたり引用した書籍等を紹介していますが、昭和年代の書籍も多いですので、入手できるかわかりませんし、やはり、1冊だけを独学しても、極めるのはむずかしい感じがしますので、 まず、お勧めしたいのが、下記に(株)不二越さんのHPを紹介しています「知りたい材料・熱処理講座」シリーズを見られると、熱処理に関する項目や範囲がわかると思います。7つほどのPDF版が公開されていますので、ご覧いただき、それらを一読されてから知りたい内容を書籍で探るのがいいのではないでしょうか。

【2】このHPを読んでいただく対象としては、特に、若い熱処理従事者の方をイメージしています。当社の方もそうですが、熱処理技能士の資格を取得している方も多いのですが、 昔の熱処理はほとんど知らないと思います。熱処理は「技術」ですので、伝承されてきたものも多いのですが、多くの『匠』が退社した今では、その伝承が非常に難しくなっています。 そのために、比較的『昔』を知っている私たち世代が、これからの、実際の作業の足しになる項目を残したい・・・という思いから、この記事を書いています。

【3】今までのHPは、カスタムナイフなどの刃物や工具を作る人を意識していました。しかし、昨今では、自分で熱処理したくてもその環境になく、 熱処理業者さんなどに依頼する場合が多くなっているようなので、そのような方のために、熱処理の基礎知識を最低限知ったうえで、 不具合が発生を未然に回避したり、良い製品にするためのポイントを紹介しようと考えました。
今回このHPは、金属用語辞典と参考書の間の案内書にゲンバの実情報を含めたものにしようという方針で書き換えています。

【4】私(野中)自身のことですが、昭和40年代に工学部金属工学科という課程を卒業したのですが、熱処理については、鉄鋼材料の講義の一部で出てきただけで、実習でも焼入れをした記憶がありません。 そして、何も熱処理を知らないままに現在の会社に入社しましたところ、幸か不幸か、しばらくして、鉄鋼産業が日本の基幹産業にのし上がっていき、私も、 熱処理のJIS表示許可工場になるための仕事や、航空機部品に関する熱処理工程の認証、 熱処理品の品質保証、金属剪断刃物の製造・・・ などを通じて熱処理にかかわっていましたので、この経験から、HPには、一般書籍には書きにくい内容を含めた内容にすると、 熱処理の本質が見えてくるのではないか・・・と考えて、あえて普通の書籍では掲載しないような卑近な内容も含めました。内容においては異論もあると思いますが、無責任な内容は書いていないつもりですので、HPの右上のcontactは、私宛のメールフォームへのリンクです。問い合わせをお受けしています。

【5】引用している図表などは、転用されて迷惑がかからないように、あえて、見やすいように加工していませんことをご了承ください。 また、このHPでは、特に、日立金属の技術資料を多く引用させていただいています。他のメーカーさんとの付き合いも多かったのですが、とくに、日立金属安来工場の冶金研究所や技術部門の技術者さんとのおつきあいが多かったので、熱処理や材料についてもいろいろな技術資料を提供いただきました。ここでは、特殊なものではなく、公開されている技術資料から引用させていただきましたが、これらは、あくまでも説明用に引用させていただきましたので、転用しないようにお願いします。

【6】HPの中の随所に書いていますが、熱処理の分野では、熱処理設備や鋼材の品位などは高度に進化しています。しかし、人手を経ないで、機械が自動的に標準化された操作を行う場合には、ブラックボックスの部分は増えていますし、それらの進歩が熱処理的に問題が無いかというと、そうではありません。このことを、社内の若い熱処理担当者にも知っておいてほしいという思いもあわせて、このHPに込めています。見えないところを見る目を養ってほしいと祈願しています。

最後ですが、このHPは技術文書ではありません。熱処理を大まかに理解するためのものとして利用いただくようにお願いします。
(第一鋼業WEB担当 野中豊が主な記事を書いています)


◎【第一鋼業のPR】
第一鋼業俯瞰 当社(第一鋼業株式会社)は、高級包丁などで名高い堺市に隣接する、大阪市西成区で1935年(昭和10年)に創業しました。
周りには住宅が密集し、次第に手狭になっていますが、創業以来、主に、 製鉄所向けの世界最大級の鉄鋼せん断用の刃物などの鉄鋼せん断用刃物の製作をしています。最大級の刃物では、直刃と呼ばれる長い刃物は6mのものを、丸刃と呼ばれる回転して使用するか物は、1.5m径のものを製作しています。
また、委託熱処理を行っており、古くから、金型や工具鋼などの「工具鋼メーカー」との関係も深く、特定の鋼材メーカーの系列にも属していませんが、著名な国内外の工具鋼メーカーの鋼材の取り扱いには熟知しています。
小口・小ロット品の熱処理加工についても、ソルトバスなどの小規模設備を用いて、 品物1つからの「小ロット」でも熱処理をお受けしています。
熱処理についてご質問等は、会社HPからお問い合わせください。


銃刀法に関する熱処理依頼時のお願い

当社では、カスタムナイフを作っている方からの熱処理依頼をお受けしていますが、法律に抵触する品物の熱処理はお受けできません。プロ仕様であれば問題ないですし、刃物類の熱処理依頼されるほとんどの方は、法律や刃物の取り扱いを理解いただいているのですが、これまでにも、 品物をお送りいただいた後に、法律対象となっているものは、届出等の必要性を確認をさせていただいており、また、返品をさせていただく例もありましたので、 簡単に「銃刀法」と「軽犯罪法」という法律について説明します。

ナイフなどの刃物類は、どんなものでも自由に作ってもいいというものではありません。
現在(H28年)、銃刀法では、①刃渡り15cm以上の刀等の所持禁止されていますし、②6cmをこえるものは携帯することを禁止されています。 加えて、③刃渡り5.5cm以上の剣(両側に刃のついた刃物)の所持が禁止になっています。それ以下の長さであっても、軽犯罪法1条で「正当な理由なく隠して携帯すること」 を禁止されています。それを所持している場合は、廃棄することを義務付けています。届出等もありますので、対象品は、警察署等にお問い合わせください。

これに基づいて、当社でも、危険防止のために、個人の依頼の場合は、法律の規制対象品や所持禁止にかかる形状のものは熱処理依頼を受け付けていません。 また、事業や仕事にお使いの、法にかかる刃物類についても、銃刀法に関する届出対象のものは、熱処理依頼の都度、そのお願いと確認をさせていただいています。ご了承ください。

合法的に処理されている熱処理品であっても、刃渡り15㎝を超える刃物類や5.5cmを超える両刃の剣などについては、依頼品の写真とすべての依頼記録、 受渡しの記録、加工記録等を開示できる状態で3年間保持しています。
以上のように取り扱いさせていただいていますので、法の順守と安全への配慮をお願いするとともに、ご理解ご協力をお願いします。


【参考文献・引用資料】

日立金属技術資料 No.288 最近の冷間工具材料について 日立金属株式会社
日立金属技術資料 No.170 YSS高速度工具鋼の諸性質 日立金属株式会社
日立金属カタログ H-MT3 日立金属株式会社
日立金属カタログ HY-B9 2011版 日立金属株式会社
日立金属カタログ HY-B10 YSS高級刃物鋼 日立金属株式会社
プレス型材料と熱処理(佐藤・相沢) 日刊工業編
知りたい熱処理 不二越熱処理研究会 ジャパンマシニスト
JISハンドブック 鉄鋼Ⅰ・Ⅱ(旧版を含む)日本規格協会 
JISハンドブック 熱処理(SAE硬さ換算表)日本規格協会
雑誌 特殊鋼 2010.11号(鋼種対応表)
JISデータシート(S48年版:ISIJ73 DS1)日本鉄鋼協会編
Metals Handbook
鋼の熱処理 日本鉄鋼協会編
熱処理のおはなし(大和久重雄著) 日本規格協会
熱処理ガイドブック(日本熱処理技術協会編)
熱処理技術入門ー金属熱処理技能士・受験テキスト(日本熱処理技術協会・日本金属熱処理工業会編)
山本化学工具研究社 解説書
特殊鋼辞典 大同特殊鋼編
材料試験硬さ技術の系統化調査 古賀正樹
硬さ試験法とその応用 吉沢武男 裳華房
硬さのおはなし 寺沢正男 日本規格協会

【推奨WEBページ】

【熱処理】
https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/tec/pdf/04d1.pdf その他関連記事あわせて7件あります。
その他は https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/tec/pdf_dev.html のマテリアル事業分野から。

【硬さ】
https://sts.kahaku.go.jp/diversity/document/system/pdf/054.pdf
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